お前なんか白昼の通りで大衆が見る中見えない怪物に生きたまま喰われて死ね!
今日は特になにも無かったけど塾でした。
開始時刻から少し遅れて来た少年。
スポーツでもやっているのか、少し焼けた褐色の肌に、学生服であった。
彼のいでたちはこの塾にいる生徒達と比べると少々変わったものだった。
背中が土に汚れたような白いシャツ。
尻の部分だけが汚れた灰色のズボン。
そして、坊主頭に巻かれた黄身がかったタオル。
・・・タオル?
この塾、充分冷房は効いている。
彼にはまだ暑いのか、頭からはいまだ汗が吹き出ているのか。
髪のない頭には寒すぎるのか、乾燥しすぎているのか。
――わからない
「なぜ彼の頭にはタオルが巻かれているのだ!」
皆がそう思った。
「・・・あれなに?」
「・・・ワイルド系ファッション?」
「やめようよ。気づくって。」
みんなが彼を話題にしている。
彼がそのことに気づいているのか、後ろ姿から伺うことはかなわない。
とりあえず・・・イタイ。
休み時間。
彼はさらに話題となる行動を起こした。
彼は席から立って歩いた。もちろんただ歩くのではない。
両手を腰に当て、故意になのか、微妙かつ奇妙かつ珍妙に腰を振りながら、だ。
吹いた者がいた。大笑いした者がいた。
――いったい彼は何者なのだ!?
識る術は・・・ない。
――ちゅーか、危険過ぎますって
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